ウェブサイトでの人権情報の紹介

全カナダ日系人協会は目的の一つとして次のよう方針を掲げています。

「単独にまた他と協力して、あらゆる形式の人種差別及び関連する不寛容さを撲滅するために積極的に活動し、人種、肌の色、信条、出身国、性別等に拘らず、カナダの全ての人が平等な権利と自由を享受できるように努力し、不利な条件に置かれた集団に対する差別行為と闘うこと. . .  」

この目的のために、全カナダ日系人協会には、人権に関する問題、懸念、イニシアティブに取り組むことを主な目的とした人権委員会があります。この「人権リンク」へのアクセスをウェブサイトで提供するのは、日系カナダ人に関連した人権問題の情報を提供するためです。

 

人権に関する教育、情報の発展、そしてその背景

1988年9月22日の歴史的なリドレス合意が達成された結果、当時の全カナダ日系人協会のアート・ミキ会長と日系社会の指導者たちは、リドレスの調印はカナダ人権史上の重要な成果であり、これには特別な責任が伴うことを指摘しました。日系カナダ人は人権侵犯に特に注意を払い、他の少数集団が同様な人権蹂躙を経験するのを防ぐために、そのような状況が生じた場合には最初に声をあげなければならないと言っています。

バンクーバーの日系カナダ市民協会(JCCA)の人権委員会は、1995年に『日系カナダ人のバイリンガル人権ガイド』を発行し、2003年にはそれを改訂及び増補しました(2003年版を参照してください)。これは日系カナダ人の歴史と文化への案内として、全国の日系人社会、新移住者および日本からの訪問者に歓迎されました。この小冊子は自分の権利について不案内なゆえに、搾取や差別を受けやすい人々を対象に情報を提供しています。

全カナダ日系人協会の人権委員会は、バンクーバーで作成された『ガイド』からの情報をこのオンライン版に活用しています。このウェブサイトを作成した意図は、自分自身および他人の人権についての知識を高めていただくためです。差別、ハラスメント、性差別、人種主義、人種プロファイリングなどの行為、或いはその他の不平等または不公平な取扱いを識別し、そのような状況が生じた場合、どう対応するべきかを知っていただくためです。

このサイトの情報は日系社会の皆様へのサービスとして提供されています。全部が最新で正確な情報であるとは保証できません。情報を確認してから行動してください。カナダの州、準州及び連邦の人権団体についての詳細は、『カナダの人権法に関わる機関』のリンクを参照してください。

人権問題に関する日本的な文化価値観

            歴史的背景

            強制収容トラウマと人権意識への影響

            第二次大戦後の日本における民主主義原則の導入

日系カナダ人の歴史

            初期の歴史

            第二次大戦の経験-強制収容と分散

            再生-百年祭とリドレス

            現在の日系カナダ人

人権及び他の法律は、どの様に私達を保護してくれるのか?

/準州の人権法と『権利と自由のカナダ憲章』とはどう違うのか?

カナダではどの政府機関が人権法を管轄するのか?

人権法に基づく「差別」とは何か?

人権法ではどんな領域が保護されているか?

差別の例にはどんなものがあるか?

 

どんな種類の差別が生じうるのか?

a)   人種主義

b)人種差別

c)組織的人種差別 (systemic racial discrimination)

d)人種プロファイリング

e)ハラスメント

f)適切な調整(reasonable accommodation

カナダのジェンダー差別

          ジェンダー差別とは何を意味するのか?

            どこで発生するのか?

            どうして発生するのか?

ジェンダー差別に対する法律は存在するのか?

ジェンダー差別は日系カナダ人社会にどんな影響を与えているか?

ジェンダーに基づくその他の問題点

            性的ハラスメントとは何か?

            家庭内暴力とは何か?

            ジェンダー差別と同性愛恐怖症(homophobia)とは関連があるか?

            カナダにおける同性間結婚

差別及びその他の人権問題にどう対処するか?

人権問題に関する日本的な文化価値観

人権に対する日本的見解の歴史的背景

戦前の日本から移住した大概の一世にとって、現在私達が知っている人権という概念は不可解でした。権利の代りに、儒教的概念である義務が強調されていました。1890年の教育勅語に沿って、生徒、学生全員に 天皇への忠誠と両親に対する従順が教えられました。明治帝国憲法では、このような支配的な行動原理に基づいて、個人的な権利は制限されていました。1868年に始まった明治時代に、日本は重要な政治的、社会的、経済的および精神的改革を経験しました。日本は外の世界へ門戸を開き、若者には外国へ行くことを奨励しました。

私たちの祖父にあたる一世(カナダにおける第一世代)たちは、世紀の変わり目に、富と帰国後の高い社会的地位を夢見ながらカナダに来ました。そしてその後、定住して家族を育てました。一世は、日本的な社会原則と価値観を守りながら、奇妙で敵対的な環境に順応しようとしましたが、人種差別に直面して隔離された社会に暮していました。一世にとって、家族の名誉や忠誠よりも個人を重視する制度を自分の物とすることは考えられませんでした。勤勉、自制心、禁欲的な諦念と感謝の念を重んじ、それを人格形成の重要な要素であると考えていました。そして社会的義務を断固として重んじる日本の伝統的原則を守りました。この義務及び密接な人間関係を律する原理は、深いレベルでは、和の概念として理想化されています。

二世(第二世代)にとって、二つの文化を同時に生きることは極めて困難でした。徹底して伝統的な両親からの期待と、非カナダ的文化を放棄してカナダ社会への同化を迫る公立学校からの圧力とに挟まれて、この二つを統合させる必要に迫られました。この対立する期待を満足させ、同時に強固な自尊心を育てていくのは容易なことではありませんでした。

強制収容トラウマと人権意識への影響

1941年から49年までの追放と強制収容の経験は、物理的にも精神的にも想像を絶する苦難でした。この一世代もの長期に渡るトラウマ経験は、日系カナダ人社会に永続的な変化をもたらしました。日系カナダ人社会は、祖父たちが移住してきた時代から人権蹂躙を経験してきましたが、人権を守ろうという努力は余りしてきませんでした。その理由としては、以下のような事情が考えられます。

1.一世(第一世代)は、高度な行動原則は所有していましたが、公平、個人的権利、民主主義及び社会的平等を社会的価値として認識していませんでした。

2.一世および過去現在の日本人の社会的行動を支配しているのは、主に和の精神です。和の精神は、社会的義務を最も重要だと見なし、個人よりも共同体または集団を重視します。この集団には、家族、血縁集団、および会社など雇用団体が含まれます。和の精神は、対立を許容しません。

3.カナダ社会が日系社会に課した人種差別が、個人的にもまた組織的にも影響を及ぼしていました。

4.日系カナダ人が経験した第二次大戦中の追放と強制収容は、個人的には心理的トラウマ、社会的には経済的破壊をもたらしました。特に打撃を受けたのは二世でした。「仕方がない」という表現が典型的に示すように、宿命的、自責的な態度が一世及び二世の間でも顕著なのは、この心理的トラウマの結果です。強制収容中にもその後にも、この態度が一般的でした。一世と二世は、恥辱の念を抱きながら、自分たちの苦痛とカナダ社会への正当な怒りとを否定してきました。そして辛抱強い勤勉なよき市民であることで自分たちの価値を証明しようとしました。

5.二世は、子供達のためにカナダ社会に同化することに努力を集中しました。その結果、日本語の能力が失われ、三世、四世たちの90%が非日系人と結婚しています。

第二次大戦後の日本における民主主義原則の導入

1946年11月3日、戦争による破壊と敗戦のショックから立ち直った日本で、新憲法が発布され、基本的人権の原則が確立されました。それは以下のように規定されています。

すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。」(第13条)

個人の権利と自由が承認され、男女両性の平等も承認されました。結社(組合)、教育及びまともな生活を営む社会的な権利が人権の概念に加えられました。家族制度では拡大家族での家長の特権が廃止され、新しい民法では核家族が支持されています。法律や政治制度は近代化され、個人の自由や人権を支持していますが、現実の日本社会での変化はずっと遅い速度で進展しました。執拗に持続したのは、「同質的社会内での集団意識」でした。多くの人々は、個人としてよりも集団の一員としての意識が強く、このタイプの人間関係では集団への忠誠心を育みますが、個人的権利の発展を阻害します。例えば、障害者は孤立し、朝鮮人、部落民、アイヌなどの少数派は不公平な取扱いを受けています。日本に住んでいる外国人は、外国人登録証を常に携行しなければなりません。しかし戦後には、日本でも人権の領域で大幅な進歩を遂げました。

 

日系カナダ人の歴史

カナダの日系社会の初期から現在に至るまでの包括的な歴史は、NAJC.CAのウェブサイト『日系カナダ人、昔と今』を参照下さい。このサイトには、多くの資料のリストが掲載されています。

初期の歴史-カナダに最初に定住したとされる日系人は、1977年の永野万蔵です。1905年から1907年の間に多くの日系人が移住してきました。それに対する憎悪と差別の雰囲気は、1907年、バンクーバーでのアジア系住民に対する暴動となって爆発しました。アジア人がブリティシュ・コロンビア(BC)州に定住または残存するのを阻止するために、政府は法律を通してアジア系移住者の数を制限し、入国後の権利を制限しました。日本人は信用できず、脅威であり、カナダ社会の本流に決して同化できないものとされました。参政権を否定された日系カナダ人は、投票もできず、専門職からも排除され、公職には就けませんでした。専門職から閉め出された日系人は、農業、漁業、森林伐採業及び小企業の分野に進出しました。

BC州の人種主義者の目的は、日系カナダ人を物理的に州から排除することでした。1941年12月7日に開始されたアジア太平洋戦争は、「日本人問題」を解決する好機であると見なされました。カナダ政府は、戦時措置法を行使して法廷に訴えることが出来ない無制限の権力を掌握し、日系カナダ人から公民権を剥奪しました。日系人は「敵性外国人」と見なされ、「人種起源を日本人とする者」として取り扱われました。一連の内閣令が発動され、日系人の権利をさらに剥奪していきました。日本がパールハーバーを攻撃する6ヶ月前に、18才以上の日系人は指紋を採集され、カナダ連邦警察に登録され、その身分証明書を携行しなければなりませんでした。これは1949年まで続きました。

第二次大戦の経験-収容と分散-1942年2月7日、政府は内閣令365号を発令し、沿岸から百マイル(160キロメートル)以内を「保護地域」に指定しました。連邦政府機関であるBC保安委員会は、与えられた権限に基づいて、この保護地域から「人種起源を日本人とする者」を追放しました。沿岸地域在住の一部の日系人は、バンクーバーのヘイスティングス・パークにある家畜用建物に送られました。家族は離ればなれにされ、男達は道路工事キャンプやオンタリオ州の戦時捕虜収容所に送られました。分散を免れた家族は、マニトバ州(やアルバータ州)の砂糖大根農園へ送られ、僅かな賃金で過酷な労働を強いられ、不十分な家屋で寒い冬を凌ぎました。(マニトバ百科事典の「日本人」、353-4頁を参照)。多数の収容所がBC州の内陸部に設けられ、日系人は、急造された複数家族用の掘っ建て小屋、テント、廃坑の町、廃屋などに入居しました。このような状況で暮すことを余儀なくされた日系人は、想像を絶する苦難を味わいました。日系人の資産は信託されたはずでしたが、1943年1月19日に発令された内閣令469号は、所有者の合意なしに売却する権限を政府機関に与えました。カナダ連邦警察が1945年3月12日に行なった忠誠心調査は、BC 州から日系カナダ人を追放することを明確にしました。最後通牒は、ロッキー山脈以東に移動するか、日本に追放されるかでした。この制限は大戦終結後さらに4年間維持され、1949年4月1日まで日系カナダ人は西海岸に戻ることができませんでした。連邦選挙権は1948年6月に、BC州選挙権は1949年3月に日系人に付与されました。   

再生-百年祭とリドレス-1977年、日系カナダ人のコミュニティーは、最初に日系移住者がカナダに定住してから百年になるのを祝いました。祝賀行事はカナダ各地で行なわれ、戦時中の経験の記憶が呼び起こされました。1947年に日系社会の福利増進のために全国日系カナダ市民協会が形成されていましたが、1980年には全カナダ日系人協会と改称され、リドレス運動が日系人社会が取り組むべき課題となりました。日系社会の指導者は勇気と決意をもって努力を続け、幾多の障害を克服しました。

1988年9月22日に、全カナダ日系人協会のアート・ミキ会長とブライアン・モローニー首相とがリドレス合意の署名を行ないました。首相は、日系カナダ人の取扱いが道徳的にも法律的にも不当であったとし、監禁、所有地没収、公民権剥奪という歴史的事実にカナダ国民として真正面から立ち向かい、そのような不正義が決して再び容認されることがないように固く誓いました。(1988年9月、下院、討議議事録、19499頁)

日系カナダ人の現在-リドレス合意には被害を蒙った人々に対する象徴的な個人補償と、日系社会を復興させるためのコミュニティー基金とが含まれています。リドレス合意から十年間、各地で文化センターが建てられ、多くの企画が日系カナダ人リドレス基金から資金を得ました。日系社会が復興されたにも拘らず、強制分散政策により非日系人との結婚率が高くなり、それがコミュニティーの成長にネガティブな影響を与えました。カナダ人種関係財団を設立する条項も含まれています。リドレスを達成したことにより、日系カナダ人は自分たちの経験を話す勇気を獲得し、伝統に対する誇りを回復しました。

 

人権およびその他の法律が、どのように私達を保護しているか

雇用先で、或いは店でサービスを受けている際、或いは住宅を探している際に、不公正または粗末に取り扱われたと感じる状況に出会うかもしれません。このような状況は、人権法による差別に当たるかもしれませんが、他にも保護する法律があります。

● カナダの刑法には、身体的または性的暴力、或いは所有物に対する侵害に対する条項があります。

● 州及び準州の雇用・労働基準法、並びに職場の安全衛生法は、従業員の待遇、労働条件、給与支払い及びその他の最低基準に関する規則を定めています。

● 住居貸借法と建築基準法は、賃借人と賃貸人の関係についての条件、新建物の建築または既成建物の改築、管理について定めています。

● プライバシー法は、政府機関及び民間部門による、個人情報の収集、保有、使用及び公表について定めています。

 

連邦及び州または準州の人権法は、個人の尊厳及び平等への侵害に対処します。これらのウェブページは、人権法が特定の状況下でどのように私達を保護してくれるかについて説明しています。

/準州の人権法と『権利と自由のカナダ憲章』とはどう違うのか?

『権利と自由に関するカナダ憲章』 http://www.pch.gc.ca/pgm/pdp-hrp/canada/frdm-eng.cfmは、法律や政策などの政府の行為にだけ適用されます。人権法は、個人、団体、企業、政府による私的及び公的行為の双方に対して、人権法が定める範囲の一つに関して差別またはハラスメントを犯した場合に適用されます。

州/準州の人権法は、州/準州の議会で議決されたもので、その州またはその準州だけに適用されます。『権利と自由に関するカナダ憲章』(略称『憲章』)はカナダ憲法の一部で、カナダ全国で適用されます。

人権法は、差別からの自由に関する権利だけを対象としていますが、『憲章』は平等な取扱いの権利に加えて、その他複数の人権を対象としています。『憲章』の保証する権利の例として、投票権、宗教と表現の自由の保証、刑事事件に関わった場合の推定無罪と公平な裁判手続きを受ける権利などです。

最後に、大抵の場合、『憲章』の権利を執行するには裁判所に訴えますが、人権法下の権利を執行するには州または準州の人権委員会または人権機関に、そして連邦管轄の事項の場合はカナダ人権委員会に、提訴します。

詳細な説明については、『カナダにおける人権とは何か?』を参照してください。


カナダではどの機関が人権法を管轄するのか?

人権は、連邦及び州/準州の法令下にあります。

a)      カナダの『人権法令』(http://www.chrc-ccdp.ca/を参照してください)は雇用または公衆サービスに関連する問題を含んでおり、連邦政府、郵便局、航空会社、テレビ・ラジオ放送局、銀行、電話及びインターネットサービス会社、州間のトラック及びバス会社、並びに連邦政府管轄下の鉱業会社など、連邦が規制する団体・組織を対象としています。

b)      州または準州の人権法令-各州または各準州は、雇用、住宅、サービス、及び公衆に提供される商品と設備などの領域で、住民を保護します。また出版、広告、組合や専門職協会の会員資格及び公的機関との契約に関する保護を提供する州もあります。詳細は下記のウェブサイトで確認してください。

カナダの諸州や準州には以下のような人権法を管理する機関があります。

・  ブリティッシュ・コロンビア人権審判法廷

・  BC人権連合(告訴人に支援活動を提供する)

・  アルバータ人権及び市民権委員会

・  サスカチュワン人権委員会

・  マニトバ人権委員会

・  オンタリオ人権委員会

・  人権と若者の権利の委員会(ケベック)

・  ニューブランズウィック人権委員会

・  ニューファンドランド及びラブラドル人権委員会

・  ノバスコシア人権委員会

・  プリンス・エドワード島人権委員会

・  ノースウェスト準州人権委員会

・  ナナブット司法省

・  ナナブット人権審判法廷

・  カナダ人権委員会(http://www.chrc-ccdp.ca/

 

人権法に基づく「差別」とは何か?

差別とは、商品購入、またはサービスを受ける際、或いは職場、住宅またはその他の特定な領域で、選別的、或いは好ましくない、不平等な取扱いを受けた結果生じるもので、以下の人権法で概説されている保護のいずれかに関連したものです。

・  祖先

・  人種、皮膚の色

・  出生地

・  身体的または精神的障害

・  宗教

・  民族的背景

・  ジェンダーまたは性

・  年令

・  性的指向

・  結婚状況

・  家族状況

州や準州によっては、上記の他に、犯罪歴/刑事責任、収入源、政治的信条または政治結社などが含まれます。州によって、保護される個人的資質が異なるので、お住まいの州または準州の人権法を調べてください。

差別は、ハラスメント、同じ仕事、または実質的に同じような仕事に対する不平等な支払い、差別的出版物、または憎悪プロパガンダ、或いは単に異なった取扱いなどの形式をとることがあります。

人権法ではどんな領域が保護されているか?

各州または各準州では、雇用、住宅、サービス、及び公衆に提供される商品と施設の領域で、私たちを保護する人権法が定められています。また、出版、広告、組合、政治結社の会員資格及び公的契約に関する保護を提供している州もあります。詳細については、各州、準州のさまざまな人権機関のウェブサイトで確認してください。

・  ブリティッシュ・コロンビア人権審判法廷

・  BC人権連合

・  アルバータ人権及び市民権委員会

・  サスカチュワン人権委員会

・  マニトバ人権委員会

・  オンタリオ人権委員会

・  人権と若者の権利の委員会(ケベック)

・  ニューブランズウィック人権委員会

・  ニューファンドランド及びラブラドル人権委員会

・  ノバスコシア人権委員会

・  プリンス・エドワード島人権委員会

・  ノースウェスト準州人権委員会

・  ナナブット司法省

・  ナナブット人権審判法廷

・  カナダ人権委員会(http://www.chrc-ccdp.ca/

差別の例にはどんなものがあるか?

当人が他人を差別している意図がなくても、差別は差別です。

差別の例には以下の様なものがあります。

a)      ハラスメント-人種、肌の色、性またはジェンダー、性的指向のゆえに、不穏当な冗談、侮辱、中傷、或いは特定の個人に向けたポスターまたは漫画を表示すること。

● 通学許可書で滞在中のDさんは、ホームステイ先の父親からハラスメント行為を受けた為に、その家を出て行きました。その父親は、彼女の身体をじろじろ見詰めたり、容姿についてコメントしたり、また彼女の部屋に許可なしに入ってきて、「好きだということを表現するために」彼女を抱擁したりしました。Dさんはそれに堪えられませんでした。ホームステイ仲介機関は、性的ハラスメントの苦情を受けても、何らの行動もとりませんでした。

● ある日本人家族が最近カナダに移住しました。その息子は近所の学校に通っていましたが、日本から来たという理由で、いじめにあいました。人種主義的な中傷を受け、廊下で小突きまわされ、「国に帰れ」と言われました。両親が先生と校長に訴えましたが、学校当局はこの人種主義的ハラスメントに何の処置もとらず、いじめは続きました。この男の子は学校に行きたがらなくなり、成績は大きく落ちました。

● 労働許可を持っているCさんは、寿司レストランで働いています。他のアジア系或いは非アジア系の従業員は、Cさんが日本人だという理由でからかいます。そして、アジア人やその他の少数民族及びゲイやレスビアンについての冗談を言います。従業員用の掲示板に漫画を張って、お互いの人種的背景や文化的伝統をからかいます。Cさんは非常に不愉快ですが、できるだけ無視するようにしています。他の人は気にならないようで、レストランのオーナーは何の処置もとりません。

b)      賃金差別-例えば、雇用者が女性の従業員が男性の従業員と同じような仕事をしているにも拘らず、より低い賃金しか支払わない場合、或いは、同レベルの経験/技術を持った新移住者に、非移住者より低い賃金を支払う場合です。

c)      雇用時の差別-就職面接の際に、あなたが親である場合、子供の世話について不適切な質問を受けること、或いは子供を作る計画があるかどうか訊ねられること。或いは、障害、健康上の制約や問題点、或いは人権法で保護されている年令、宗教などの他、個人的特性について訊ねられること。そして、資格や経験ではなくて、これらの質問への回答の故に職を得られない場合。

d)     妊娠した時(性的差別)に、或いは怪我を治療するために休暇をとる必要がある時(身体障害に基づく差別及び調整を図る義務)に、解雇されること。どんな種類の差別が生じうるのか?の項の「適切な調整」の説明を参照してください。

e)      住宅における差別-アパートを借りようとする際に、家主が「子供は駄目」と言うこと(家族状況に基づく差別)。或いは「騒がしく、部屋をきれいにしない」からと言って、25才以下の人々に貸さないこと(年令差別)。

どんな種類の差別が生じうるのか?

(以下の記述は、オンタリオ州人権委員会からの翻案です)

a)      人種主義

人種主義とは人種差別よりもより広範囲な経験と行為です。ある集団がその他の集団よりも本質的に優秀であると、直接的または間接的に主張する信条です。人種主義は、人種的冗談、中傷または憎悪犯罪(hate crimes)に公然と表現される場合もありますが、態度、価値観或いはステレオタイプ的信条に深く根ざしている場合もあります。自分が人種主義的信条を抱いていることに気が付かない場合もあります。そしてその信条が、時間の経過と共に制度や組織に組み込まれ、支配集団の力と特権に繋がってゆく場合もあります。

ジェンダー差別は日系カナダ人社会にどんな影響を与えているか?を参照してください。

b)     人種差別

人種差別は、人権法で禁止されています。意図的であってもなくても、他の人には課せられない重荷を、個人または集団に課すること、或いは人権法で保護されている社会の他のメンバーには利用可能な恩恵へのアクセスを拒否または制限すること。ある状況で人種差別が行なわれたと判断するには、人種がその一要因であれば充分です。

人種差別は、職場であまり好ましくない作業を割り当てられたり、指導や訓練の機会を与えられなかったり、非常に微妙な形をとる場合があります。或いは、他の従業員とは異なった管理基準の対象となったり、祖先を理由にアパートを借りられなかったり、人種を理由に運転中に警察官 から、或いはショッピングセンターで警備員から、不公平な監視にさらされたりする場合もあるでしょう。

c)      制度的・組織的人種差別

差別するために意識的に意図または計画されたものではない日常的規則や制度から生起する、組織的または制度的レベルの人種差別(systemic racial discrimination)があります。行動様式、政策または慣行が、ある組織またはある部門全体の構造の一部となっていて、人種化された、すなわち、一定の人種に属すると見なされている人々に対する不利な状況を作り出す、或いはそれを存続させる場合があります。組織や団体は、自分たちの「普通の行動様式」が人種化された人々に対して否定的な影響を与える場合があることに注意する必要があります。

例えば、教育分野では、以下のような組織的差別があります。人種化された学生に学問的分野よりも技術分野を勧めるステレオタイプ的指導。白人の応募者に有利な文化と組織的要因を組み込んだ昇進慣行のために、校長職には人種化された人々が少ない。

d)     人種プロファイリング

(アルバータ州人権委員会ウェブサイトからの翻案です)

人種プロファイリング(Racial Profiling)とは、個人の人種または宗教的信条、肌の色、祖先、出身地などの背景またはその組合せに関連した否定的なステレオタイプのために、その個人が異なった待遇またはより精密な調査を受けることです。例えばイスラム教徒は、宗教についてのステレオタイプに根拠を置いた人種プロファイリングを体験する場合があります。また人種プロファイリングがジェンダーや年令などその他の要因に関連する場合もあります。例えば、若い黒人は、年令、肌の色及びジェンダーについてのステレオタイプを根拠にした人種プロファイリングを経験するでしょう。必ずしもそうとは限りませんが、典型的には、役所の職員は、人種プロファイリングを行なう理由として、安全、警備および公衆の保護をあげています。

人種プロファイリングは以下の領域で生起する場合があります。

● 出版物および通知

● 人種化された商品、サービス、宿泊所及び施設

● 借家

● 雇用慣行

● 雇用に関する応募及び広告

● 職種別労働組合、雇用者団体または職業連盟の会員権

人種プロファイリングが差別に至った場合、被害を受けた個人は人権法によって保護されています。なぜなら、人種、または宗教的信条、肌の色、祖先及び出生地などの保護されている領域に基づいた差別は、人権法によって禁止されているからです。ジェンダーと年令に基づいた差別も人権法によって禁止されています。

人種プロファイリングが差別に至る例

● 警察官が、黒人男性は犯罪行為に従事する可能性がより高いという想定の下に、他の人が運転している自動車よりも、若い黒人男性の運転する車をより頻繁に止めて捜査する。

● 店主が、先住民は溶剤を濫用するというステレオタイプに基づいて、先住民の顧客に塗料用シンナーを売るのを拒否する。

● アジア系青年はギャングと関係があると信じ込んで、アジア系青年がバーに入るのを拒否する。

● 雇用主が、イスラム教徒はテロリズム活動に従事しているという想定の元に、9月11日以降イスラム教徒の従業員の人物調査を強化しようとする。

e)      ハラスメント

(『日系カナダ人のためのバイリンガル人権ガイド』からの翻案です)

これは差別の一形式です。これには意見、冗談、中傷、或いは、理性のある人なら歓迎されないと知りうる、あなたを中傷、当惑または貶める絵や写真の展示または行動が含まれます。このような言動は人権法で保護されている個人的特徴の少なくとも一つに基づいています。ハラスメントには、触る、押すなどの不適切な行為、冗談、侮蔑または中傷などの発言、或いはポスターや漫画などの表示が含まれます。

人種的ハラスメントとは、人種、肌の色、祖先、民族、出身国または宗教についての攻撃的発言または冗談です。

性的ハラスメントとは、あなたが求めない、あるいは歓迎しない、性またはジェンダーに関連した性質の発言または行動です。この行動の中には、触ったり、撫ぜたり、つねったりなどの不適切な身体的接触、または性的暴力、或いは女性や男性に対する攻撃的な冗談や発言、性的な依頼や提案、身体をじっと見つめたり、身体について歓迎されない発言をすること、性的に不快な絵を展示すること、あなたのジェンダーを理由に攻撃的な発言をすること、などが含まれます。(『性的ハラスメントとは何か?』を参照してください)

ハラスメントと判断するには、その行為が直接に特定の個人に向けられる必要はありません。性、ジェンダー、または人種集団についてのステレオタイプ的意見を言うことも、それを聞いている人を不快な思いをさせた場合、ハラスメントと見なされます。

f)       適切な調整

(ユーコン地区人権委員会ウェブサイト情報からの翻案です)

公衆にサービス、商品または施設を提供する雇用者、事業主または団体は、人権法で保護されている人々の要求に適切に対応する必要があります。人権法では、雇用者、事業主または団体に、事業の運営上に必要な規則、政策及び手順が必要なことを認めていますが、それらを調節して、障害者、高齢労働者、宗教的必要のある従業員、妊娠中の女性、家族的責任を持つ従業員が職場に参加でき、またサービスにアクセスできるようにする必要があります。調整の依頼は、健康と安全上の理由、調整に必要な費用、サービスや職場に与える影響などの「不当な困難」(undue hardship)によって制限される場合もあります。

 

職場での調整の例には以下のものがあります。

● 従業員を異なった仕事に割り当てます。職務を取り除くか代替します。或いは病気や怪我から回復中のまたは障害のある従業員を助けるために、職務を複数の従業員で分担します。

● 障害のある者のために、機材または仕事場の物理的空間を改善します。

● 親または家族の介護者としての用件を果たすことができるように、従業員に柔軟なスケジュールを提供したり、或いはパートタイム勤務の機会を与えたりします。

● 障害のある従業員の必要を充たすために、特別な機材または通訳などの補助を提供します。或いは作業場を再配置して車椅子アクセスを提供します。または病気や怪我の後、徐々に仕事に復帰できるようなスケジュールに調節します。

● 宗教的信条に影響する仕事場の政策、例えば制服または保護用のヘルメットなどかぶり物についての規則を調節します。

サービスにおける調整の例には、以下が含まれます。

● 障害のある人々がレストラン、店、ホテル及びその他の建物に、盲導犬など介助動物を連れて入るのを許容します。

● 入口や公衆便所に車椅子でアクセス出来るようにします。

● 学習障害のある学生が、教室にノート係を連れてきたり、授業を録音したりするのを許可します。

住宅と宿泊施設における調整の例には以下があります。

● 車椅子の賃借人または来客に便宜を与えるために、傾斜路を設置し、入口を広げます。

● 視力障害のある賃借人または来客のために、点字の標識を設置します。

● 聴覚障害者の来客のために、点滅する火災警報器を設置し、TTY電話

が利用できるようにします。

カナダのジェンダー差別

ジェンダー差別の意味は何か?

ジェンダー差別とは、個人のジェンダーまたは性に基づいた差別を意味します。これは少女と女性に影響を与える場合がより多くあります。ジェンダー差別の為に、少女と女性は少年と男性に比べて、教育、有意義な職業経歴、政治的影響及び経済的昇進に関して同等の機会に恵まれていません。

どこで発生するのか?

ジェンダーに基づく差別は世界中で発生しています。ジェンダー差別の為に、男性と同じ仕事を行なう女性でも、その給与はより低く、仕事からの恩恵もより少ないのです。カナダのような先進国でも、女性は男性の収入の70.3%しか稼いでいません。この現在の数字は1990年代よりも一パーセント低くなっています1。

どうして発生するのか?

根本的な原因は文化に根ざしています。「物事のやり方」及びその理由を規定するのはその社会の文化です。文化は女性のあり方、男性のあり方、その行動様式に定義を与え、男女関係の構造を決定します。家庭や社会における「女性の仕事」や「男性の仕事」は、文化的説明によって規定されます。この説明は社会によって異なり、時代によって変遷します。一般的に、男性に比べて女性は個人的な自立性や資力が少なく、社会や自分たちの生活の決定に関する影響力が少なくなっています。

1カナダ統計の発表データー、2010年12月

ジェンダー差別に対する法律は存在するのか?

カナダにはジェンダー差別を妨げる法律があります。カナダの『権利と自由の憲章』には「すべての個人は法の前に平等であり、法による平等の保護と恩恵を差別なしに受ける権利がある。特に、人種、出身国または民族、肌の色、宗教、、年令、精神的身体的障害に基づく差別はしない」と書かれています。

 

ジェンダー平等を保証する国際協定がいくつかあり、カナダはそれらを支持しています2。

ジェンダー平等とは、ジェンダーの区別なく男性も女性も正当な権利を行使し、自分たちの人間としての可能性をすべて成就できることを意味します3。

ジェンダー差別は日系カナダ人社会にどんな影響を与えているか?

(注:ここで定義されている日系社会には、カナダ産れ及び帰化した日系カナダ市民、移住した日本人、長期滞在の日本人、日本人訪問者を含んでいます。)

● 有色の移住女性は、白人の移住女性よりも高い失業率及び過少雇用率に直面しています4。

● カナダ及びその他の西欧諸国では、「大衆文化では、アジア女性の姿は多くのステレオタイプで描かれています。小柄、普通は若い、従順、ある種の男性が求める非常に女性的な理想像、極度に性的な無知…」5。日本及びその他のアジア女性をステレオタイプ化して、男性の権威に従順で、依存心が強く性的に利用可能とするのは、人種的差別です。カナダで、この危険に気が付かずに、移住女性が異文化の異性との社会的関係を持つのは、この種の人種差別や虐待に身をさらすことになります。

● 移住女性は結婚が破局すると、法的地位及び社会的経済的安全を失う恐れがあります。虐待的な配偶者は移住女性が出てゆくのを止める手段として、スポンサーシップを悪用する場合があります。子供のいる移住配偶者が離別してスポンサーシップを失うと、教育、社会、医療サービスなどの基本的な公共サービスを受ける資格を失います。

● 女性移住者は、ジェンダーと人種差別から来る複合的な挑戦に直面しています。雇用の機会や経済的な独立に関する限界、英語が第二言語であることから来る言葉の障壁などです。

 

2 例えば、1948年の『人権に関する世界宣言』、1979年の『女性に対する全形式の差別撤廃に関する協定』

3 ジェンダー平等に関するカナダ国際開発機関の出版物から

4 ウェーブ・K『移住女性と子供に対する暴力』コミュニティー作業員のための概要 バンクーバー 女性に対する暴力に反対する女性./強姦救援センター

5 アジア女性のステレオタイプに基づいた人種とジェンダー-西欧社会の「誰もが認識しているが話したくない重要な問題」の指摘『ライスペーパー』15.2 シャーリー・カバレロ

 

 

ジェンダーに基づくその他の問題

 

性的ハラスメントとは何か?

女性移住者は仕事に関連した性的ハラスメントの対象とされてきました。従業員が、仕事場或いは仕事に悪影響を及ぼしかねない仕事関係で、性的性質の歓迎出来ない発言や行為の対象となった場合、性的ハラスメントが発生したと判断できます。性的ハラスメントが非合法であることを女性移住者が知らない場合、事態はさらに深刻になり、孤立感が深まり、自尊心が揺るぎ、新しい文化と環境に順応するためのストレスが増加します。犠牲者は、性的ハラスメントに対処し、それを止めるための公共サービスがあることを知る必要があります。

家庭内暴力とは何か?

家庭内暴力の被害者は、全ての経済的文化的集団に存在します。家庭内暴力とは、家庭内関係における暴力的行為で、配偶者の一人がもう一人を犠牲にすることです。大抵の場合、犠牲者は女性の配偶者で、加害者は男性です。暴力は心理的、性的または身体的で、苦痛を与え恐怖を喚起して、犠牲者である配偶者を孤立させ支配する意図があります。身体的暴力は、さまざまな度合いで体面を傷つける心理的虐待を伴い、脅迫、暴行から殺人までの幅があります。家庭内暴力は通例、配偶者関係の中で繰り返されるパターンになります。カナダ人配偶者に法的に頼っている日本からの女性移住者やその他の移住者が、心理的虐待、恐怖、孤独及び社会的経済的圧力のサイクルの罠に囚われてしまう場合があります6。

6家庭内暴力に反対するBC協会(2000年)虐待された女性の公民法の権利:改革的な公共法律教育企画バンクーバー:家庭内暴力に反対するBC協会-企画

ジェンダー差別と同性愛恐怖症とは関連があるか? 

ジェンダー差別、同性愛恐怖症そして性差別は相互に連結しており、人々が行動方法を身につける際、また少女少年女性男性として自己認識を行なう際に影響を与えます。社会が「男性的」また「女性的」と見なすことは、ジェンダー規範の階層的固定的な見解が強制されることを意味しています。ジェンダー差別は、女性が社会的な不平等を受け入れる結果になるのが普通ですが、生物的性に関連したジェンダー規範に合致しない人々が標的になるジェンダー差別もあります。レスビアン、ゲイ、両性愛および性転換者についてのステレオタイプ化は、同性カップル、同性両親の家庭などその他多くの人々に対する社会的排斥を正当化します。

 

同性愛恐怖症とは、レスビアン、ゲイ、両性愛、性転換者および両性の人々に対する一連の否定的態度或いは感情で、相手の人間性、尊厳及び個性を否定しています。性差別とは、性に基づいた差別で、特に男性による女性の抑圧です。

同性愛恐怖症と異性愛主義とは、異性愛が容認され、その他の形式の性的認定を恐れ積極的に抑圧することです。異性愛が社会的また組織的に促進される場合、その社会は同性愛恐怖症だと判断できます。

従来のジェンダー規範に反する同性関係またはジェンダー認識が存在する場合には、レスビアン、ゲイ、両性愛、性転換者及び変り者(GLBTQ)の人々は悪影響を受けます。「変り者」(queer)という言葉は、若者や政治的活動家がよく使用する言葉で、性的指向に基づいた認定を拒否するためです。自分の性的認定が生物的性を反映しない場合に、生物的性が性的認定を反映するように、治療を受ける場合もあります。カナダでは性的指向に基づいた差別は禁止されていますが、ジェンダー転換者または性転換者は、依然として 保護の欠如、或いは積極的な迫害や排斥の事実を報告しています。

同性愛恐怖症はカナダ各地の学校に存在しており、ゲイとレスビアンの青年男女に対して、憎悪と軽蔑があからさまに或いは攻撃的に表現される恐れがあります。同性愛恐怖症に基づく中傷、身体的暴力、拒絶、排斥、抑圧、そしてオンライン及び個人レベルでの虐めなどの手段が使用されています7。社会或いは本人の自尊心にも依りますが、特にゲイとレスビアンの青年男女には自殺の危険性が多くあります8。学校当局は、沈黙のルールを捨てて、公然とこの問題に対処し、性指向とジェンダー認定の多様性を確認する必要があります。

私達すべてが、カナダ社会に影響を与えている硬直したジェンダー規範の犠牲者です。カナダの同性愛恐怖症に対抗するために、私達は対話を通して、多様性に賛同し、それを奨励し、対立を終らせ、すべての人が所属できる社会を築く公平な風潮を支持しなければなりません。

カナダにおける同性間結婚

2002年から2005年にかけて、カナダの複数の州と一準州の裁判所では、結婚を異性間カップルだけに制限するのは、『権利と自由の憲章』の第15条に依って禁止されている差別の一形式に当たるとの判断を示し、連邦政府の定義を覆して、管轄当局が同姓結婚の登録を認めるように要求しました。最初の裁定は、連邦政府に同性結婚を認める法律を作成するように要求しましたが、その後の裁定では、管轄当局のレベルで直ちに発効するという新しい定義をもたらしました。こうして、カナダ当局はオランダ、ベルギーに続いて世界で三番目に同性愛結婚を許容することになりました。法案は2005年7月に連邦議会を通過し、カナダは世界で同性結婚を合法化する四番目の国となり、また居住条件なしにこれを認める最初の国となりました。9

7若者達はカナダの学校での同性愛恐怖症と性転換恐怖症について声を上げました;第一段階報告(2009年3月)

8『若者の自殺についての省察』カナダの精神衛生パンフレット

9『カナダにおけるLGBTの権利』ウィキペディアより

差別およびその他の人権問題にどう対処するか?

(ユーコン人権委員会のウェブサイト情報よりの翻案です)

a)    ハラスメント

性的或いはその他の形式のハラスメントを経験したと考える場合には、以下の手順による対応を推薦します。

● 事件の記録-時間、日付、生起した行動の詳細、証人となる目撃者等を記録します。

可能な場合には、加害者に自分がどう感じているか、或いはその行動を歓迎しないことを伝えます。

● 信頼している人物と出来るだけ早く相談します。自分だけでその問題に取り組むのが心細い場合、そしてそれが適切な場合には、その人物にあなたの為に介入することを依頼します。

● 職場の規則・政策を調べて、人権またはハラスメントの苦情を訴える手続があるかどうか確かめます。

● 事件を責任者-管理者、マネージャー、オーナー、教員などに報告します。

● 加害者が他の人にもハラスメントを行なっている場合は、仲間の従業員、賃借人、学生と相談します。

● 組合(職場に組合がある場合)或いはコミュニティーの女性センターまたは移住者支援サービス、或いは州や準州の人権員会または適切な人権機関から支援や助言を受けます。

●    会社、雇用者または責任のある人が、ハラスメントを止めることが出来なかった場合、或いは責任者が加害者である場合には、人権委 員会に連絡して助言を得るか、苦情を申し立てます。

●   苦情を申し立てられる期間には制限があることを注意してください。団体・組織の政策を調べてください。事件が人権に関わる場合は、在住する州または準州の人権委員会または人権審判法廷の政策を調べます。

●   緊急の場合、或いは危険を感じた場合には、警察に電話します。

●   地域の日系カナダ人協会に連絡して、その地域でのその他の支援情報、及び日本語での支援を求めてください。

b)    差別

差別を受けたと考える場合には、上記a)と同じような手順を推薦します。

● 事件の記録-時間、日付、生起した行動の詳細、証人となる目撃者等を記録します。

●   可能な場合には、加害者に自分がどう感じているか、或いはその行動を歓迎しないことを伝えます。

● 信頼している人物と出来るだけ早く相談します。自分だけでその問題に取り組むのが心細い場合、そしてそれが適切な場合には、その人物にあなたの為に介入することを依頼します。

● 職場あるいは組織の規則・政策を調べて、苦情を訴える手続があるかどうか確かめます。

● 事件を責任者-管理者、マネージャー、オーナー、教員などに報告します。

● 加害者が他の人にも差別を行なっている場合は、仲間の従業員、賃借人、学生と相談します。

● 組合(職場に組合がある場合)或いはコミュニティーの女性センターまたは移住者支援サービス、或いは州や準州 の人権員会または適切な人権機関から支援か助言を受けます。

●    会社、雇用者または責任のある人が、差別を止めることが出来なかった場合、或いは責任者が加害者である場合には、人権委員会に連絡して助言を得るか、苦情を申し立てます。

●    苦情を申し立てられる期間には制限があることを注意してください。団体・組織の政策を調べてください。事件が人権に関わる場合は、在住する州または準州の人権 委員会または人権審判法廷の政策を調べます。

●    緊急の場合、或いは危険を感じた場合には、警察に電話します。

●    地域の日系カナダ人協会に連絡して、その地域でのその他の支援情報、及び日本語での支援を求めます。

c)     適切な調整

障害、宗教的信条または家族状況に関連する個人的事情の為に調整が必要だと考える場合は、以下の手順に従ってください。

● 職場、組織または事業に適切な調整に関する政策または手続がある場合には、それに従います。

● 雇用者、家主またはサービス提供者に、調整による助けが必要なことを知らせます。

● 良い解決策を見出すのに必要な医療その他の関連情報を提供します。障害がある人は充分な情報を提供して、障害があること、また怪我から生じた動きの制約など障害からくる制限と制約を示す必要があります。

● 可能な調整案を示唆して、それを積極的に試みるなど、雇用者に協力します。協力しないと、雇用者が依頼を却下する怖れがあります。

● 雇用者が「不当な困難」を理由に依頼を却下した場合には、説明を求め、必要に応じてさらに詳細な情報を提供します。「不当な困難」についての詳細は、人権委員会ウェブサイトの詳細情報を参照してください。

● 調整を変更する必要がある場合、或いはもはや調整を必要としない場合には、雇用者に知らせます。

● 雇用者、家主或いはサービス提供者が適切な調整の依頼を拒否した場合は、職場に組合がある場合には組合に相談します。または、州或いは準州の人権委員会或いは人権審判法廷に相談します。

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